外観検査とは、不良品を見つけ、それらを製造工程から取り除くことです。我々は外観検査を目視、或いはカメラシステムにより自動で行うことができます。コスト削減のため、検出改善のため、生産スループットを増やすため、市場の要求を満たすためや、ブランドの評判を向上するためにさえも、様々な理由から、多くの企業が自動外観検査を取り入れています。
理想検査と選別システムの考え方は、要求された分類に沿って、製品を明確に分けるということです。 理想的には、検査システムとは完全に調整可能なハードウェアとソフトウェアの組み合わせで成り、それによりすべての製品が扱われ、あらゆるタイプの外観不良が排除できるように構成されたものです。 医薬品製造においては多くのタイプの不良があります(錠剤、カプセル、ソフトジェル、バイアル、シリンジ、・・・)そして、それぞれの製品に独自の外観と固有の外観不良があります。 さらに、外観不良の分類要求は業界で標準化されているものではありません。例えば、製品のある種の色むらは、ある会社にとっては不良ですが、通りを隔てた同様の会社にとってはそうでないかもしれないのです。 ユーザーの要求にこたえるために、検査システムはしばしば多くのパラメータ設定が必要となり、結果として最適とは言えない、或いは不適切なオペレーションをするリスクが高まります。そのために、このような複雑な検査システムは、複雑さを隠し、エキスパートでない人にさえも容易く使えるように設計されるべきなのです。完璧に設計された検査システムは、様々な製品や不良タイプに(柔軟に)対応ができ、不良を正確に(敏感に)検出する能力を持ち、さらに忘れてならないことは受け入れ可能な逸脱と不良を正しく見分ける(選択的に)知能を持つのです。 最高の感度と選択性を同時に達成することを目指すところに、理想が現実となります。 |
現実マシンがあなたの思ったように動かないと、困ることがありますね。 最もよくある検査技術に対しての失望の二大原因は、感度への非現実的な期待、すなわち不良検出能力、そして選択性です。選択性とは良品の排除率を低減する能力の聞こえの良い呼び方です。 最もよくある誤解が、高解像度のカメラを備えたシステムなら感度も選択性も卓越しているというものです。しかし、検査システムの感度は多くのパラメータによって決まるものであり、それらは必ずしも一目瞭然とは言えません。光学パラメータには解像度だけではなく、カメラのノイズ、光の均質性、レンズの歪み等があるのです。さらに、外観検査システムでは光学パラメータ以外にも、製品の機械搬送の安定性と再現性、正しい画像解析も同じく重要なのです。 欠陥のある不完全な設計が検査システムのたった一つの部分にあるだけで、測定がより不確実になり、そのために検出率が下がり良品の排除率が上がる状態を引き起こします。それに加えて、排除率とは感度とエラーに対する感受性、すなわち、選択性の間の妥協の産物なのです。排除は直接にビジネスのロスを意味しますから、製造工程で日々問われることになります。 我々が製造工程の最適化を図ってこそ、はじめて選択した検査システムの真価を認識できます。 |